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FUN'S PROJECT CHANNEL 2018.06.22

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【特別寄稿】業界歴20年のアニメ演出家が作画机の裏からコッソリ教える裏話 ~アニメ業界で活躍したい人たちに、第2回クリトークをおススメする理由~

■「プロの洗礼」続けてこれたのは作品が完成した時の喜び、感動があるから

毎年、憧れたアニメーション業界に入り、チャンスをもらって作品作りに参加する人は多い。
ですが、どの業界でも当たり前のこととして上司、先輩、関係者から「プロの洗礼」というべきダメ出しをもらい、怒られ、叱られ、立ち直れないくらいのショックを受けることがたびたびあります。アニメ業界も例外ではなく、特にキャリアの浅い若手の頃では尚更のこと。

身近な例ですが当時、筆者と同じ制作スタジオに所属していた若い作画マンたちが動画から原画に「昇格」。本人たちもずっと希望していた原画の仕事ができることもあり喜びもひとしおの様子でした。
ところが、担当演出さん、作画監督さんからは厳しいダメ出しの嵐。本人たちの力量不足であるのは間違いないのですが、必要以上に「キツイ」内容でもあり、見ていて自分のことのように胸が痛みました。
(余談ですが、演出、作画監督は同じ建物内にいないことも多く、修正の指示は「修正用紙」と呼ばれる色付き用紙に絵と文章で回ってくることがほとんど。この「指示書」にキツい文言と明らかにイライラをぶつけている筆跡で書かれてくるため、若いスタッフにとっては「言葉責め」のような苦痛を味わってしまう。「面と向かって怒鳴られた方がよっぽどマシです」とは本人談)
ひどいケースになると、内容の修正指示だけではなく「よくもこんなひどいスタッフを押し付けたな!」といった文言とともにトラブルに発展することも珍しくないのです。

かくいう筆者も、テレビアニメ演出家としてプロデビューしてからしばらくは「プロの洗礼」という名の試練を何度も経験しました。
提出したTV用の絵コンテ、300カットのうち280カット以上描き直し。つまり、BGオンリー以外はすべて直しです。
(ですがシリーズ監督がお忙しい中、4時間以上かけて1カットずつ丁寧にご指導くださいました。本当に勉強させていただきました)
カッティングと言われる編集作業では完成尺が20分強なのに対し、3分以上もオーバー(通常は1分前後)のフィルムを作ってしまった上に、どうカットして完成させるかのプランも用意してこなかったため、編集さんから「こんなの切れん!」とドヤされた上、プロデューサーから本気で怒られました。
また、アフレコ収録時にはわかりづらい芝居を数多く作ってしまった上に、セリフ尺が長すぎたり短すぎたりしてしまい、声優さんから「合わせづらい」「これってどういう芝居しているの?」などの困惑した声がマイク越しに部屋全体に聞こえてくるので、非常に肩身が狭い思いをしました。
(アフレコは偉い方々も同席されることも多いこともあり、本当に身が縮む思いでした。身に染みた教訓でした)

■「師を持って初めて知ること」厳しくも暖かい先輩や師匠からダメ出しをもらい学びながら

誰しも通る道。
でも、早々に業界を辞めてしまう人が多いこともまた事実。
では、なぜ続けることが出来たのか?
それは第2回クリトークの対談でも触れていますが「作品が完成した時の喜び、
完成作品を見た感動」というものが大きく忘れられないものなのです。
筆者の師匠は「苦労して作った作品は自分の子供のようにかわいい」と口にしていましたが全くの同感で、かくいう私も仕事中何百回も見たはずなのに、完成した後、お酒片手に10回20回最初からラストまでシミジミと見返し、オンエアをスタッフと一緒に見ながら「あそこ大変だったな」「ここ視聴者はどう思ったかな」などとワイワイ言い合うのもまた楽しみでした。

(これまた余談ですが、アニメ業界で働きたいと言うとご両親が「将来大丈夫なのか、やっていけるのか」といった不安から快く思わないケースは多いのは事実です。しかし、制作スタッフとして名前が載ったエンドロールをご両親がテレビで見るとやはり驚きや感激らしく、「ウチの子はすごい仕事をしている」と安心してもらえたという話をよく聞きました。本人もひとつ自信につながるようで)

感動があると、練習や自己向上にも力が入る。
「もっと活躍したい、もっといい作品作れるようになりたい」
作り終えた後、振り返るとあの時厳しく指導してもらったことが自分の糧となり、周囲への感謝に変わっているのです。
師匠や先輩から厳しくも暖かいダメ出しをもらいながら学び、苦しいことがあっても、感動を味わうために乗り越えたくなる。
まさに、第2回クリトークはそんな体験してきたお二人だからこそ言える話が詰まっていました。

下田久人/アニメーション演出家

アニメーションの制作進行を経て、2001年「週刊ストーリーランド(日本テレビ)」でアニメーション演出家としてデビュー。その後テレビやゲームを中心にアニメーション映像の監督、演出を行う。これまでのキャリアの中で約40タイトル、100本を超える制作本数を手掛けている。
また劇作家・小池一夫漫画塾の漫画原作者養成コースに入塾。キャラクター原論と漫画作成術を学ぶ。特にキャラクターを魅力的に感じさせる「キャラを起てる」技法の徹底指導を受ける。
2017年12月にAmazonプリントオンデマンドより絵本テイストの作品「トタン屋根のブリキネコ ギィー」を出版。(kindle版も同時発売)
知的財産管理技能検定3級取得(国家試験)
DPA認定ドローン操縦士

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