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イベント・ワークショップ 2019.09.05

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「リラックマとカオルさん」制作アニメーター! 垣内由加利さんと体験するコマ撮りアニメ教室レポート

2019年8月3日(土)、市ヶ谷の東京アニメセンター in DNPプラザにて、Netflixで全世界独占配信中の「リラックマとカオルさん」の制作に携わったストップモーション・アニメーター、垣内由加利さんと一緒に体験するコマ撮りアニメ教室を開催いたしました。

夏休みの自由研究や学校の課題など、参加の目的は人それぞれ。お子さまから大人の方まで、多くの皆さまにご参加いただきました。

まずは自己紹介と、垣内さんの実績を動画でご紹介。

「ダノンオイコス コバラちゃん」のCM、アバターアプリ「ディズニーマイリトルドール」、NETFLIX全世界独占配信「リラックマとカオルさん」、ホンダ創業70周年記念動画「Honda "ORIGAMI"」のストップモーション・アニメーションなど、垣内さんの関わった作品のほか、自主制作のフルアニメーションによるスケボー動画などを実際にご覧いただきました。
特に「Honda "ORIGAMI"」はアニメーター、アシスタント含め10人以上の規模で、こんな作品に関わることはなかなかない貴重な体験だったとのこと。流れる映像に、皆さま思わず拍手喝さいでした。

コマ撮りとは? コマ撮りの現場は?

動画上映のあとは、「『コマ撮り』って何?」について学びます。

「『コマ撮り』の『コマ』とは、映画で使うフィルム1枚1枚のこと。1コマ1コマのフィルムを連続で回すことで動いているように見え、コマ撮りはそれを利用しています。1秒間に回すコマ数が多いほどなめらかに動いているように見えるんですよ。」(垣内さん)

(資料提供:垣内氏)

「『コバラちゃん』は1秒間に8枚、『リラックマとカオルさん』は1秒間に12枚を撮影しているんですよ。」(垣内さん)

ムービーを用いた垣内さんの分かりやすい説明に、参加者の皆さまは真剣に耳を傾けていました。

さらに、コマ撮りアニメの撮影現場の様子もご紹介。

「私がやっている撮影は全部ミニチュアです。狭いスペースの中で、テーブルの上をきれいにセッティングしますが、外は雑然としています。何度も立ったりしゃがんだりを繰り返すと腰が痛くなってしまうので、一番楽な高さにできるように、身長に合わせた高さの机にしています。」(垣内さん)

人形の中に、手足の取り外しができるようにネジや針金を仕込んでいたり、顔のパーツをたくさん用意して1コマ撮影するごとに入れ替えていたり、キャラクターを1体動かすだけでも、私たちの想像以上の手間が掛かっていることが分かりました。

「1日で撮影できるのは、目標7~8秒くらいをお願いされたりするのですが、歩きのシーンとか、人形が同時にたくさん動くシーンは時間がかかるので、1日に4秒くらい撮れればいいくらいですね。」(垣内さん)

1日まるまるかけて4秒という短さに、皆さまとても驚いた様子でした。

ミニフィギュアを使ってコマ撮りアニメを体験!

垣内さんのご紹介、コマ撮りについての勉強が終わったら、いよいよ来場者によるコマ撮りアニメ体験の時間です。

まずは、スマートフォンのストップモーションアニメ作成アプリを使って、ミニフィギュアを少しずつ動かしながら撮影していくワークを行いました。

アプリの使い方説明と、スタッフを撮影してコマ撮りの基本をおさらい。

人形を回したり、針金を使って人形を吊るして飛ばしたり、いくつかの制作例をもとに、皆さま思い思いにコマ撮りアニメの制作を楽しみました。

垣内さんに直接自分のコマ撮りアニメを見てもらい、講評をもらっている方も。充実した制作タイムとなりました。

自分が動いてコマ撮り! ピクシレーション体験

人形を使った撮影でコマ撮りの基本が勉強できたら、参加者ご自身が被写体となってコマ撮りをする「ピクシレーション」にもチャレンジしました。

「人が通常ではできない不思議な動きを、ピクシレーションであれば実現できます。たとえば、イスに座ったまま動くとか、人の動きではむずかしいことも、コマ撮りであれば表現できることがあります。」(垣内さん)

今回体験するピクシレーションは、参加者が右から左に移動しながらポーズを行うもの。
ひとコマずつ移動しながらポーズを変えて撮影することで、滑るように動きながらポーズが変わる、まさに人の動きではできないことをコマ撮りで実現します。

クルクル回りながら、空中に浮いたまま、寝そべりながらなど、皆さま思い思いのポーズにチャレンジ。
ジャンプポーズを撮るには、一番高く飛んだ時を狙ってシャッターを押すのですが、垣内さんと参加者の息が合ってほとんど一発で撮影が成功。垣内さんご自身もスムーズな撮影に驚いていました。

最後はピクシレーションで撮影した作品をみんなで鑑賞! 狙ったとおりの動画になっている方、やっぱりこうすればよかったかなという方など、さまざまな感想をいただきました。

「家に帰ってから、FUN'S PROJECTで公開中の動画で復習してみたい!」というお声をいただくこともでき、全員が笑顔でイベントを終えることができました。

これからも、FUN'S PROJECTでは人気クリエイターをお招きしたワークショップ、トークイベント、セミナーなど、スペシャルなイベントを続々開催予定です。詳しくはFUN'S PROJECTのサイト、メールマガジンをチェックしてくださいね。お楽しみに!

垣内由加利
ストップモーション・アニメーター、倉敷芸術科学大学・非常勤講師。兵庫県丹波篠山市出身。1988年、映像制作会社・白組に入社。1997年に独立する。現在までに関わった作品はCM・短編・長編映画など300本以上にのぼる。また近年は、ストップモーション・アニメーションのノウハウをベースにして、フィギュア・ぬいぐるみ・衣服から人間の体まで使った「だれにでも始められるコマ撮り」の普及にも力を入れている。

【垣内さんが講師を務めるFUN'S PROJECT コンテンツ】
「FUN'S PROJECT COLLEGE」では、コマ撮りアニメーションを楽しく学べる垣内由加利さんによるクレイアニメの制作講義動画を無料公開中。
「誰でも簡単に作れるアニメ」をテーマに、アニメーションの原理や自分で作ったキャラクターが動く楽しさを学ぶことができます。
レポートを見てワークショップに参加してみたかったという方、ワークショップの復習をしたいという方はぜひご覧ください!

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