水曜日のファンズちゃん


ファンズちゃんが、アニメやマンガなどの創作にまつわる体験をしたり、専門家にお話を聞きにいくことでクリエイティブについて学んでいきます。

「キレイな色の秘密を教えて! #0022020.07.22

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第2回のテーマは、高精彩出力について。印刷したらイメージと違うものになった!という経験をしている方は少なくないと思います。キレイな色を印刷するには、複製画商品などに使われている高精彩出力という手法もあり、高度なテクニックの秘密があるといいます。その秘密を色の専門家のタカさんが解説します!

 このお話はフィクションであり登場人物・団体名等は架空のものです。

 みんな! ファンファンしてる? ファンズちゃんです。


今日もオリジナルグッズを撮影しています!

今日もエフさんが、なんだか高そうなカメラで撮影してくれています。スマホで撮って、レタッチしたらダメなのかなあ? ちなみに、エフさんはFUN'S PROJECT の会員第2号だったらしいよ。第1号じゃなくて悔しいんだって。

今日は、撮影したらその場でレタッチをするっていうお手伝い。いっぱい撮影して、パソコンでいっぱい並べて表示するから、どれがどれなのか、わかんなくなっちゃう。間違えてデータを消しちゃって、ショック~!

エフさんは「よくあることだよ、大丈夫」って言って、撮りなおしてくれました。もっと、テキパキお仕事ができるようになりたいです。

お昼休みに、色にとっても詳しいタカさんが、遊びに来てくれました。プレゼントがあるんだって言って、大きな荷物を持って…。

なんと、森倉さんのオリジナルイラストの複製画を持ってきてくれたんです! 額に入れて、休憩室に飾ってくれました。やっぱりキレイ!! かわいい!! ずっと休憩室にいたいよ~!

絵のプレゼントって、とっても嬉しいね! わたしも FUN'S PROJECT で買って、エフさんにプレゼントしようかなあ。


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やっぱり色がスゴイよ! とってもきれいだし、森倉さんも納得しているんだって。どんな調整したのかな? タカさん~、どうやってこんなキレイに印刷できたの?

ファンズちゃん、エフさん、この前は途中で終わってごめんね。イメージの通り作品を出力するのは、難しいよって話だったよね?

そうそう、で、きれいに出すには…

レタッチ…

そうだったね! 色々なプリントの条件があるから、クリエイターさんと一緒に創ることが大切ってお話したよね。じゃ、普段クリエイターさんと僕たちが、どんなことをしているかを知ってもらいながら、きれいな出力の秘密をお話しするね!

まずはクリエイターさんとどんな色の仕上がりにするのか共有するんだ。色の表現イメージを同じにすることで、どういったレタッチをするかなど、作業のプランニングをするんだよ。この作品イメージには、どの出力機を使うか? 色数はどのくらいにするか? 紙は何を使うか? そういったことを決めていくんだよ。決めた内容によってレタッチの仕方が変わってくるから、とても重要なお話なんだ。

今日は複製画のきれいな出力を想定して、「高精彩出力」で「原画風の紙」といったオーダーで話を進めていくね。

原画風の紙ってクリーム色の紙かな? 紙の色も大事なんだよね。


複製画の高精彩出力?

そもそも高精彩出力は、通常の4色の印刷物と比べて8色とか、10色とか通常の印刷より使うインク数が多いから表現する色域がとても広い出力方法なんだよ。

用意するデータも、印刷用だからと言ってCMYKに変換する必要がなくて、RGBのままでオーケー。色域の違いを考慮しなくていいから、データにあまり手を加えなくても大丈夫なんだ。そしてRGBのデータをたくさんのインクを使って表現するから、RGBの発色に近いのさ。

たくさんのインクなんて本当に必要? と思うかもしれないけど、色の奥行などを出すためには必要な色の数なんだ。普通のプリントは4色が多いけど、10色くらいあったらどんな色にも深みが出そうでしょ?

色の奥行とな。深い話だね。

さすがです。

だけど注意が必要だよ。RGB(光源色)の表現を完全にできるかというとそういうわけではないのさ。物体色なので光源色にはかなわないのさ。ここで調整が必要なんだ。いかに物体色を光源色の表現ように見せるか? 色数を増やしたことで広がった表現領域を効果的に活用するか? そこに調整が必要なのさ。

 実は、僕はそこの専門家なんだよ。だから色に色々詳しい、色だけに。

…。

光源色でしか表現できないところを、表現されているかのようなデータづくり。秘密だけど色々な調整、レタッチをするのさ。

色だけに。

…。


高精彩出力はたくさんの色を使って、データの色調整とレタッチする技術を加えて、クリエイターさんの選んだ紙の雰囲気を合わせて完成する、とても高度な出力なんだ。

イメージの確認

高精彩出力を試し刷りしたら、それをクリエイターさんとイメージの確認をするのさ。確認でも色々なことがあるんだ。

…。

色だけにね。大事なのは光源なのさ。プリントは光が印刷物に当たって、その反射光を目で感じるということだったよね。エフさんが、光源によって見え方が変わると指摘してくれていたでしょ。

クリエイターさんがチェックをする光源が、商品を作っているところの光源と一緒じゃないと、色をきちんとチェックできないの。だから色評価用の蛍光灯やLEDがあるんだよ。それ以外の光源だと特定の色を強調してしまって、全体に赤く見えたり暗く見えたり正確に確認できないのさ。ダウンライトなんかの間接照明で絵を見たら、オレンジ色になっちゃうよね。

オレん家はダウンライトが多いからダメだ。

…。


とても大切なことで、出来上がりイメージと合わないという問い合わせも、この原因が多かったりするのね。

もう一つイメージが合わない原因として、出力のサイズなんかもあるんだよ。出力サイズがとても大きいと、画面で見たサイズで感じた色と違う色に見えたり、印象が変わったりすることもあるんだ。ぼくなんかは出力サイズで色を少し調整したりもするんだ。ほんとに少しの調整なんだけど、秘密のテクニックだよ!

そこまで調整していたのはさすがに知らなかった。

秘密だよ。

イメージが合って、クリエイターさんが納得してくれて初めて商品になるんだ。こうしてできた商品だからこそ、自信をもってお客さんに販売できるんだ。オート出力じゃ、お客さんに販売なんかできないよね。

今までいろいろなクリエイターさんと仕事をさせていただいたけど、たくさんの人に高精彩出力の品質をとても喜んでもらったんだ。クリエイターさんも喜んでくれるけど、同じくらい商品を作った僕らもうれしいんだよ。

クリエイターさんが作品を創る。僕らが、商品にする。クリエイターさんが作品をみんなに見せるためには、納得しないと見せられない。僕らはクリエイターさんが納得しないと商品にしない。クリエイターさんと呼ばれるようになりたいなら、心のどこかに商品は製造する人たちと一緒に創るモノだと思っていてほしいと思うのさ。

いやー良い話を色々聞いたな! 色だけに。

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