水曜日のファンズちゃん

初回のテーマは、色について。画面と印刷物で色が違う!という経験をしている方は少なくないと思います。なぜ色が違うのか、色の専門家のタカさんにファンズちゃんが教えてもらっちゃいます!
このお話はフィクションであり登場人物・団体名等は架空のものです。



みんな! ファンファンしてる? ファンズちゃんです。
今日はFUN'S PROJECTのオリジナルグッズを撮影しています! 私は照明や商品管理のお手伝いで来てるよ。
エフさんが、なんだか高そうなカメラで撮影してくれています。スマホで撮るのと、なにが違うのかなあ? ちなみに、エフさんはFUN'S PROJECTのイベントがあったら、よく写真を撮ってくれているよ。

照明の高さとか角度を教えてもらって調節したんだけれど、どうしても影が出ちゃう。ライトを増やして影のところに光をあてたら、反対側に影が増えちゃうの! だけどまたライトを増やしたら、もっと影が増えてしまいました。商品をちゃんと撮影するのって難しいんだね。
困っていたら、エフさんが助けてくれました。ぜんぜん影ができなくてビックリ! わたしもエフさんにお願いして、きれいな写真を撮ってもらいたいな。

撮影していた商品って、実は森倉さんの複製画だったんだよ。ここだけの話だよ、絶対ナイショだよ。とってもかわいくて、きれい! わたしも部屋に飾りたい!

クリエイターページで買えるけど、さっき撮影した写真データをプリントして打合せすることになったから、プリントを額に入れて飾れば複製画を買った気分になれるかも?

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おかしいなあ。額に入れて飾ってみたけれど、なんだか色が良くないんです。なんでだろう? パソコンで見たときは、キレイだったのに! エフさんに相談したら、色にとっても詳しいタカさんを連れてきてくれました。


ファンズちゃんが自分でプリント? 自分でスマホで撮った写真を出力するノリだね?? 個人的に自分の写真を家にあるプリンターで出力するならそのノリで全く問題ないよ。出力するときに、「オートできれいに出力」ボタンを押せばバッチリダシネ!
でも、今回撮影したものは商品を買ってくれるお客様に提供するプリントだし、絵を描いてくれた人のイメージもあるから、話は違ってくるんだよぉ。商品はクリエイターさんの表現をできるだけ忠実に再現する必要があるから、家にあるプリンターみたいにオート出力だとイメージと違ったものが出てしまう可能性があるんだ。
それにね、プリントといってもオフセット印刷など大きな機械を使って沢山作るものから、デジタル印刷機で部分的な刷り分けに対応しているもの、インクジェットプリンターのような出力といろいろあるんだ。

そこには、用紙や出力機(インク)の種類など色々な要素があって、クリエイターさんのイメージに合うようにデータを最適化する必要があるんだよ。色々な要素が沢山あって難しいかもしれないけどね、商品の出力はデータをそのまま投げて終わり、というわけにはいかないんだ。
あ、エフさん。エフさんは、知ってるよね。画像処理は得意だもんね。
クリエイターさんは自分の世界観があるし、作品が自分の価値にもつながるから、やることはいっぱいありそうだね。
クリエイターさんが創ったものをきれいに出力するためには準備が必要で、そこが技術であり価値になるんだよね。プリントの仕組みを勉強することで、少し理解してみようか!
そもそも色って何だろう? からなんだけど大丈夫?
ぼくも一緒に聞きたいな!
・・・
そもそも色ってな~に?

色は光がないと認識できないんだ。雑誌とか絵本とか、カラーで印刷されているものが多いよね? みんな普通に見ているけど、人間は印刷物に光が当たって、その反射光で色を感知しているのね。ちょっとリンゴをイメージしてみると、リンゴに光があたって光のなかの赤い波長を反射するから、赤く見える。暗い部屋じゃ何色だかわからないよね。
じゃあ、クリエイターさん必需品のパソコンモニターなんかはどうだろ? パソコンモニターもみんな普通に見ているけど、モニターから光が出ていてそれを色として感知している。発光しているから暗くても見えるけど、黒を表現するのはどうかというと、あの黒い部分は光を抑えているのさ。画面を消すと黒いよね。普段の生活の中には、発光してる光源色(テレビとか)と、光を吸収・反射して見える物体色(印刷物とか)があるんだよ。
日常すぎて色についてなんて、あまり考えたことなかったな。単純だけど光がないと見えないし。じゃあ蛍光灯やLEDによっても色は違って見えてきそうだね。
さすがに鋭いね。物体色は反射する光自体でも色々変わってくるんだよ。赤い光と青い光がそれぞれリンゴを照らすと、リンゴの色がそれぞれ違って見えるんだ。
やっぱり! そういえば、よく光源がどうのって話も聞くなぁ。
後でも触れるから、先に進むね。
もちろん。

カラーではよく「RGB」とか、「CMYK」とか出てくるんだけど、光源色がRGBで、物体光がCMYKなんだよね。印刷はCMYKね。それぞれ、光の3原色、色の3原色なんて言われるけど、この違いがクリエイターさんと製造現場での色々なトラブルの原因のひとつなのさ。
ちなみに、色は3原色なのにCMYKは4色じゃねーか、ってツッコみたいよね。色の3原色である、CMYを混ぜるとクロになるはずなんだけど、技術的な根拠とコストの面もからKを入れた4色になっているんだ。KはクロのKじゃなくて、キープレートだよ。CMYはそれぞれシアン、マゼンタ、イエローね。
クロじゃなかったんだ。確かにシアン、マゼンタ、イエロー、黒って変だなと思っていた。
色は大体こんな感じかな。

紙ってそんなに種類があるの?
あと、紙についても少し話すね。
今回の商品は、素敵な紙なんだよなぁ。
うん。そうだね。プリントしようと思うと、紙を用意するよね? 紙にもいろいろあるじゃない? 黄色っぽい紙とか、青っぽい紙とか。
あるある。
でしょ。

実はクリエイターさんにはとても重要なんだよ。紙を選ぶだけで何日もかける人もいるんだ。紙の違いはというと、淡い水色を、黄色い紙と青い紙にプリントすると違う色になる。なんとなく想像できるかな?
光源のところに似ている。
そうだね。紙については色だけじゃなくて質感の違いなんかもあるんだ。だから紙の種類によっても、クリエイターさんの納得できる表現をするには調整が必要なんだ。クリエイターさんは何日もかけて選んだ紙などに、自分のイメージを表現したい。商品にする人たちは、光源、紙、出力など違った条件で、イメージに沿うモノをつくりたい。お互いの協力があって良いモノが創れる。
信頼関係が必要ですね。
そうなんだ、一緒に商品にすることが大事なんだ。ここまで聞いただけでもプリント出力でイメージ通りの色を再現するのは、ムズカシそうでしょ。
そんなムズカシいところを、いつもやっていただいて、ありがとうございます! 大変だとは思っていたけど、頼りっぱなしになっていたらすいません。
タカさん、撮影する側も気を使ってるけど、そもそもきれいに・・・ あ、ちょっと待って、これ今日中に出校しないと校了間に合わないから続きは、また今度でいい?



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