連載第1回かくりよの宿飯(やどめし)-小西克幸×金春智子-前編

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アニメ声優系ニュースサイト「アニメイトタイムズ」と、アニメ、マンガ、ゲームなど、日本が誇るエンタメコンテンツの魅力を発信し、クリエイターやコンテンツホルダーとファンをつなぐサービス「FUN'S PROJECT」のコラボによる特別企画がスタート。
双方のサイトで公開されるこの前編では、一つの作品を共に作りあげている声優とクリエイターのスペシャル対談を通して、作品やキャラクターの魅力などを探っていきます。
また、「FUN'S PROJECT」限定公開の後編では、エンタメ業界の最前線で活躍するお二人のこれまでの歩みについてもインタビュー。
クリエイターや声優を目指している皆さんにとっては、より実践的内容となっています。
記念すべき第1回でお話を伺ったのは、絶賛放送中のアニメ『かくりよの宿飯』で大旦那を演じている声優の小西克幸さんと、シリーズ構成を務めている脚本家の金春智子さんです!

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小西克幸(こにし・かつゆき)
賢プロダクション所属。和歌山県出身。1997年放送の『勇者王ガオガイガー』で声優デビュー。2001年、『魔法戦士リウイ』のリウイ役で初の主人公を演じた。その他の主な代表作に、『SAMURAI DEEPER KYO』(鬼眼の狂/壬生京四郎)、『天元突破グレンラガン』(カミナ)、『キャプテン翼』(ロベルト本郷)などがある。

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金春智子(こんぱる・ともこ)
上智大学外国学部卒業。大学4年時の1977年、『一休さん』で脚本家デビュー。1992年から放送の『おにいさまへ…』で初のシリーズ構成を担当した。その他の主な代表作に、『のだめカンタービレ』『君に届け』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』『Dance with Devils』(すべてシリーズ構成・脚本)などがある。

クリトーク!バックナンバー

第1回

かくりよの宿飯(やどめし)

前編

後編

第2回

東京喰種:re

前編

後編

第3回

重神機パンドーラ

前編

後編

第4回

夢王国と眠れる100人の王子様

前編

後編

第5回

岩井勇気のコントCDⅡ

前編

後編

第6回

株式会社 ボンズ

前編

後編

第7回

声優・木村昴さんに聞く、劇団の作り方と役者としてのバイタリィ

前編

中編

後編

第8回

山口勝平さんに聞く、声優・表現者としての本質とは?

前編

後編

『かくりよの宿飯』は
イケメンと美味しいご飯がいっぱい出るアニメ

─最初に、アニメ『かくりよの宿飯』の魅力を紹介してください。

小西克幸さん(以下、小西)
イケメンと美味しいご飯がいっぱい出てきます(笑)。
金春智子さん(以下、金春)
分かりやすいですね(笑)。
小西
ははは(笑)。妖怪がいっぱい出てくるお話ではありますが、怖くはなくて。とても心温まる作品です。主人公の津場木葵ちゃんが、お爺さんの借金のかたに、あやかしが棲む(異世界の)「隠世(かくりよ)」に連れてこられ、そこで奮闘していく物語ですが、出てくるのは、ほとんどが優しいあやかしばかり。僕もオンエアを観させていただいていますが、観終わった後は、ほっこりした気持ちになります。あと、「葵ちゃんの作ったあのご飯、食べたいな」って気持ちにもなる飯テロ番組でもありますね(笑)。
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金春
そうですね(笑)。ほとんどの魅力を挙げて頂きましたが、つけ加えるとしたら……女の子の自己実現の話でもあると思っています。葵ちゃんは、子どもの頃からあやかしが見えて、亡くなったおじいちゃんから、あやかし好みのお料理を教えられているんですね。その料理の腕と、意外に度胸のある性格を活かして、かくりよという新しい世界で自分の居場所を作っていく。ファンタジーですが、リアルに生きている女子の気持ちにも合っている作品かなと思います。葵ちゃんの自分の力で切り開いていく姿が描かれているので。

─イケメンもたくさん出る作品とのことですが、小西さんの演じる大旦那はどんなイケメンですか?

小西
僕の担当は、不思議イケメンです(笑)。
金春
あはは(笑)
小西
台本を読んでいる時も、お芝居をしている時も、他の(隠世の)キャラクターたちはどちらかと言えば人間に近い感覚ですが、大旦那だけは何を考えているか分からないというか……。どの世界に生きていて、どういう生活をしているのか、実態が掴めない感じがすごくあるんです。

でも、葵ちゃんのことになると好き好きオーラが出るので、分かりやすいと言えば、分かりやすいんですけどね。だから、不思議デレイケメンです(笑)。
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─そんな大旦那を演じる際、特に意識されていることはありますか?

小西
(老舗宿の)「天神屋」の大旦那という、けっこう偉い立場ですし、他のキャラクターとの差別化の意味もあって、よりあやかしらしくありたいというか。最終的には、葵ちゃんを好きな気持ちが前面に出ても良いかなとは思うんですけれど、まず彼の在り方としては、「どこに生きてるのかな?」という実態の無い雰囲気が出せればと思いながら演じています。

大旦那のセリフを聴いた時、
「こんなにも奥行きがある言葉になるんだ」と驚いた

─金春さんは、大旦那というキャラクターにどのような印象を持っていますか?

金春
今、小西さんの仰っていた「分からなさ」に通じることなのですが、大旦那さまだけ作中に名前が出ていないんですよね。名前が明らかにされてないというところで、一つ大きな謎を持っているキャラクターだなと感じています。あとは、すごく大人なキャラで、いろいろなことを分かっているみたいなのですが、それをストレートには出さず、一歩引いてみているというか……。間にフィルターみたいなものがある雰囲気も感じます。
小西
あえて多くを語らないみたいなところはありますね。
金春
はい。でも、最初は少し怖い感じで出てきたのに、意外と早く葵ちゃんにデレますよね(笑)。
小西
すぐにデレました(笑)。
金春
そういうギャップのあるところがとても可愛いなと思います。デレた後も、厳しいところを見せることはあるし、敵対する相手には、すごく強いところを見せたりもする。本当に面白いキャラクターです。

─小西さんのお芝居の影響で、大旦那のイメージが膨らんだこともあるのでしょうか?

小西
ありますか?(笑)。
金春
全体的に膨らんでいます。例えば、1話に(霊力の高い人間の娘は)「食うと、とても美味いんだ。美味いが故に愛おしく。愛おしいが故に食えない」という大旦那さまのセリフがあるんです。それを聴いた時、「こんなにも奥行きがある言葉になるんだ」と驚きました。
小西
言葉は脅してるけれど、とても愛にあふれているセリフですよね。
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─金春さんが担当されている「シリーズ構成」という役職は、どのようなことを担当されるのでしょうか? 「脚本」とは異なる役職なのですか?

小西
僕も詳しくは分からないので、興味あります。
金春
シリーズ構成は、例えば、『かくりよの宿飯』のように原作のある作品の場合は、最初に「全部で何話数となり、原作のどこまでをアニメでやる」ということを監督やプロデューサーと相談しながら決めて。さらに「何話は原作の何ページから何ページ」とか、「この回はこのキャラのこういうところを見せたい」といった割り振りも、決めていくんです。

それが固まったら、自分で脚本を書く回はそのまま作業するのですが、他の脚本家さんにお願いする回については、押さえて欲しいポイントなどをまとめた発注書のようなものをお渡しします。それで上がって来た脚本について、監督やプロデューサーと一緒に意見を出して、必要であれば修正をしていただきます。
小西
少し話が逸れてしまうのですが、原作という指針が無い、オリジナル作品の場合はどうなるのですか?
金春
オリジナルの場合は、監督やプロデューサーたちと方向性や概略的なことを話して、私がラフな内容案を書いて……。その内容案について、みんなでさらに話して、それをまとめたものに自分の意見をつけ加えた物を提出して、それについてまた話して、という感じでだんだんと作っていくんです。

各キャラクターをいかに映像として魅力的に動かせるかを考えた

─『かくりよの宿飯』に関して、シリーズ構成として特に意識されたことを教えてください。

金春
『かくりよの宿飯』に限った話ではありませんが、原作は小説なので、やっぱり(表現方法として)アニメとは違うものなんです。そういう違いもある中、各キャラクターをいかに映像として魅力的に動かせるかを考えました。

あとは、原作の情報量がすごく多いので、すべてをアニメで描くことはできません。それを切っていく作業は、難しいというか、辛いですね。それでも、キャラクターだけは絶対ぶれないようにということは常に意識しています。

─実際にどんな絵にするのかを決めるのは、コンテを描く人やアニメーターさんだと思うのですが、脚本を書かれる時から、絵になった時のイメージもしているのですね。

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金春
基本、(映像作品の)脚本は絵にできることしか書いてはいけないものなので、自分なりにイメージして書いてはいます。でも、コンテを見ると「なるほど、こういう絵になるんだ!」と良い意味で驚くことが多くて(笑)。そこが、アニメの共同作業の面白さだと思います。
小西
たぶん、セリフも難しいですよね? 自分で読む活字だったら頭に入ってくるけれど、耳で音として聴いた時には入ってこない言葉もあるので。
金春
仰る通りで、「目で読むための言葉」を「耳で聴くための言葉」に変えたりもします。それに、小西さんはもちろん、役者さんの方々がセリフの中のどこを立てて、どう言うか考えながら、すごく上手く演じて下さることで、観ている方により伝わっているのかなと思います。例えば、先ほどお話しした、第1話の大旦那さんのセリフも、まさにそうでした。
小西
そんな風に言っていただけて嬉しいです。

─すでに放送された第6話までで、特に印象に残っているエピソードなどがあれば教えて下さい。

小西
3話で大旦那が葵ちゃんと二人でお出かけして、デートするところは、すごく好きですね。暖かい気持ちになって、ほのぼのとしました。

3話では、本編のスピンオフ的な内容のエンディング曲(『願い花』)を歌わせていただいたんです。その中に「赤き椿の花が似合う」という歌詞があるのですが、本編の中で葵ちゃんに椿のかんざしを挿してあげるシーンがあるんですよ。そこも、すごい良いなあと思って観ていました。
▶︎『かくりよの宿飯』キャラクターソング集プロモーション映像第1弾 大旦那(CV:小西克幸) 『願い花』
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金春
3話は前半がほっこりしているんですけれど、後半はアクションが多くて。八幡屋の一反木綿たちが火矢を撃ってきた時、葵ちゃんが天狗の団扇で矢を払うんですね。そのシーンの「僕を守ってくれたのか、葵」「自己防衛よ」という大旦那さまとのやり取りは、二人が仲良くなった感じが出ていて好きでした。
小西
話数が進むごとに、大旦那と葵ちゃんの距離感が順調に縮んでいて。今、収録してるお話くらいになると、言葉のやり取りだけ聴いていたら、もう付き合ってるって勘違いしそうなぐらいの距離感なんですよ(笑)。
金春
たしかに、そんな雰囲気になっていますね(笑)。

▶︎[対談の後半は、「FUN'S PROJECT」のサイトで限定公開]
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【取材・文=丸本大輔 撮影=相澤宏諒】

©2018 友麻碧・Laruha/KADOKAWA/「かくりよの宿飯」製作委員会

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小西克幸(こにし・かつゆき)
賢プロダクション所属。和歌山県出身。1997年放送の『勇者王ガオガイガー』で声優デビュー。2001年、『魔法戦士リウイ』のリウイ役で初の主人公を演じた。その他の主な代表作に、『SAMURAI DEEPER KYO』(鬼眼の狂/壬生京四郎)、『天元突破グレンラガン』(カミナ)、『キャプテン翼』(ロベルト本郷)などがある。

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金春智子(こんぱる・ともこ)
上智大学外国学部卒業。大学4年時の1977年、『一休さん』で脚本家デビュー。1992年から放送の『おにいさまへ…』で初のシリーズ構成を担当した。その他の主な代表作に、『のだめカンタービレ』『君に届け』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』『Dance with Devils』(すべてシリーズ構成・脚本)などがある。

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第1回

かくりよの宿飯(やどめし)

前編

後編

第2回

東京喰種:re

前編

後編

第3回

重神機パンドーラ

前編

後編

第4回

夢王国と眠れる100人の王子様

前編

後編

第5回

岩井勇気のコントCDⅡ

前編

後編

第6回

株式会社 ボンズ

前編

後編

第7回

声優・木村昴さんに聞く、劇団の作り方と役者としてのバイタリィ

前編

中編

後編

第8回

山口勝平さんに聞く、声優・表現者としての本質とは?

前編

後編

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