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FUN'S PROJECT CHANNEL 2018.08.10

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業界20年の現役アニメーション演出家が作画机の裏からコッソリ教える
「憧れ」を持っている人たちに第3回クリトークをおススメする理由

■今回のクリトークはここに注目!「憧れを叶えることが出来た」話

アニメ業界に入ってきた人には多かれ少なかれ『憧れ』というものを抱いている。
「〇〇さんが描く絵が大好きで、すごいレベル高いけど少しでも近づけるように練習したい」
「△△みたいな可愛いタイトルを私もやってみたい」
「学生の頃、衝撃を受けた□□さんの仕事ができたら」などなど。
『憧れ』の形は人によってさまざま。

これは余談ですが、私の知り合いがアニメ制作スタジオに遊びに来た時のこと。
彼は主に分譲マンションなど建築物の販促イラストを描く絵描きですが、その完成品は優に1枚100万円を超える値が付くレベルの腕前。
にもかかわらず、若い動画マンの子たちに混じって、ほぼ一日動画トレスを熱心に楽しそうにやっていました。
実はアニメ動画を描く生活にものすごく興味と憧れがあったそう。
(ちなみに動画は1枚200~300円)

今回のクリトーク第3回は、対談相手でもある監督の過去の作品に強い影響を受け、「いつかこの監督の作品で一緒に仕事したい」という素直な憧れを叶えたエピソードが紹介され、とても読み応えのある素晴らしい対談でした。
同じような憧れを持つ皆さんにも、何か感じるものがあるのではないでしょうか。

■「他の職業に就いていても、業界を目指すことはできるのでしょうか?」

『憧れ』といえば、実は筆者にも紹介したい体験談があります。
「就職について少し迷っている方」「過去、就職活動がうまくいかなかった方」に向けて、ぜひご紹介したい話。
「それでもチャンスはある」という実例です。

筆者は、普通の四大卒で映像関連を勉強したことはなく、専門学校や美大、スクールの類も出ていません。
映像制作に触れたのは20数年前、大学在学中サークル(合気道部!映像と関係なし) で所有していたHi8という当時安く普及した家庭用ビデオカメラを使い始めたことがキッカケでした。
それまでまったく映像などに興味関心がなかったにもかかわらず、「将来、映像の仕事につきたい!」と思うようになりました。

ですが、大学の就職課にいっても過去10年以上「映像関係」に就職した卒業生はゼロで、当然、映像関連会社からの資料や説明会案内もゼロ。
仕方なく、電話帳を買ってきて(20年以上昔なので当然ネット検索もなく)
「映像」と書かれた会社に片っ端からハガキ、手紙を書いてアプローチを繰り返しました。ジャンルは「報道関係」「スポーツ映像」「企業CM」「映画配給」「ねんどアニメ」と、業界の知識も仕組みも知らないため、まさに手探りの手当たり次第。
(そんな状態なので、運よく担当者と面会できても自分が将来どうしたいかも答えられず、随分恥ずかしい思いもしました)

そんなある日の夜、テレビをつけながら大量の履歴書を書いていると、アニメ制作会社「サンライズ」が制作したアニメの最終回が流れていました。
なにげなく眺めていると、信じられないことに途中からボロボロと大泣きし始めたのです。
22歳にもなって、深夜1時過ぎにアニメ見て泣いてるなんて、なぜだ?!
気が付いたら「サンライズ」社宛の履歴書を1枚追加で書いていました。

結果は、二次選考で落選。
その後、別の職種の仕事に就きましたが、ダメもとで半分お試し気分で受けた就職試験にもかかわらず、落ちたことにすごく落胆している自分に初めて気づきました。
「もしかして自分は、本当にアニメ制作がやりたかったのか」

その5年後、27歳の時にアニメーション監督で後の師匠に弟子入りする形で業界入り。当時は高卒・専門卒で業界入りする人も多い時代だったので、27歳はかなり遅いスタート。
その時、師匠から教わったことは、「実績を作り続ければ、チャンスは来る」。
その数年後、なんと就職試験に落ちたサンライズ社からオファーが来て、看板タイトルのひとつ『SDガンダム(フル3Dアニメ作品)』で演出を担当することに。

筆者だけではなく、以前別の仕事やっていて、でもやっぱりやりたいことをしたいとチャレンジしている人を何人も直接見てきました。
「看護婦だったけど、番組作りたくてテレビ局に入った人」
「キャビンアテンダントだったけど、ドラマ作りたくてVシネマ制作会社に入った人」
「教師だったけど、ゲーム作りたくて転職した人」などなど。
(あれ、なぜかそういうタイプは女性が圧倒的に多かったような記憶が)

もしも、やりたいこと、憧れがあるのなら、「チャンスはある!」と言いたい。
ぜひ、「その日」のために腕と自分をいっぱい磨いてください。

そんなことを思い出させてくれたクリトーク第3回対談でした。

下田久人/アニメーション演出家

アニメーションの制作進行を経て、2001年「週刊ストーリーランド(日本テレビ)」でアニメーション演出家としてデビュー。その後テレビやゲームを中心にアニメーション映像の監督、演出を行う。これまでのキャリアの中で約40タイトル、100本を超える制作本数を手掛けている。
また劇作家・小池一夫漫画塾の漫画原作者養成コースに入塾。キャラクター原論と漫画作成術を学ぶ。特にキャラクターを魅力的に感じさせる「キャラを起てる」技法の徹底指導を受ける。
2017年12月にAmazonプリントオンデマンドより絵本テイストの作品「トタン屋根のブリキネコ ギィー」を出版。(kindle版も同時発売)
知的財産管理技能検定3級取得(国家試験)
DPA認定ドローン操縦士

人気声優とクリエイターによる夢の対談!「クリトーク!」